第5回

京間と田舎間
一般の地域の畳は、田舎間(関東間)などという言い方をされています。
田舎間では、柱と柱の中心が3尺(909mm)つまり4畳半では柱と柱の中心で9尺(2727mm)ということで、この中に畳を割り付けます。
(畳の正味の合計寸法は2607mm)
ところが京間では畳1枚の巾を3尺1寸5分(954mm)としてこの寸法は変えません。(畳の正味の合計寸法は2863mm)
決まった畳の大きさがあって、その外側に柱がくることになるのです。

ということは畳1枚の巾に85mmもの違いが出てくることになります。
これだけで部屋としての面積はナント! 約20%も広くなるのです!!
畳の大きさが変わらないということで、台子などの道具類も京畳に合わせて造られていますし、京間の方が広い分お点前がしやすいのです。
ですから茶室だけでも京間で設計をしておいた方がグーンと使いやすくなるのです。

4畳半切
4畳半は茶室の基本の間取りで、「4畳半切」と言われる炉と畳の配置になります。
広間と小間の基本的な違いは、広間では踏込畳と点前畳(道具畳)が分かれますが、小間では兼用となります。
だから4畳半は広間の一番小さいもので、台子ができる最小のスペースといえますから、4畳半切をしっかりとマスターしておく必要があるのです。
4畳半茶室の代表選手は、裏千家の「又隠」(ゆういん)とされていますのでぜひ参考に調べてみてください。
とても密度の高い空間となっています。

台目切
台目畳は1枚の畳の長さが4分の3の畳ですが、4畳半や3畳などに点前畳として加えることで広くて自由度がある使い方ができるものなのです。
4畳半台目、3畳台目などという言い方で茶室の形状を表現します。

茶室としては特殊な形をしていますが、よく見かける使いやすくて便利な切り方です。
一般には台目切としますが隅炉や向切もあります。

茶室設計の深い「三角関係」とは
4畳半を基本に考えると、亭主の入口、客の入口、床の間の位置  この3つの位置関係が茶室の間取り設計の基本となります。
 亭主の入口とは・・茶道口
 客の入口とは・・にじり口や貴人口
 床の間とは・・軸や花を掛けるところ
客の入口は床の間を正面に見る位置(又は正面の壁側)にあるのが良いとされています。
古くから良いとされる茶室は、基本的にバランスの良い三角形になっていることが多いのです。
つまり入口同士や床の間が近すぎたりすると人の動きがうまく流れないということなのでしょう。
この関係のほかに、水屋や待合との関係もあります。