第4回

炉の位置と切り方は?
茶室での質問で一番多いのは、この部屋には炉をどこに切ればいいですか?というものです。
でもそんな簡単に、「8畳ならここ」「4畳半ならここ」などというわけにはいきません。
台所や水屋、玄関、待合などとの位置関係や茶室の使い方(普段はリビングの一部で使うか、茶室専用として使うかなど)などによって茶室へのアプローチが違ってきますから炉の位置や畳の敷き方が違ってくるのです
ですからここでは4畳半の基本的茶室について書いてみましょう。
まずは畳の名称から
お手前の人がまず入る畳は踏込畳、それに続く点前畳(道具畳)、貴人が着座する貴人畳、他のお客様が座るのは客畳、炉のある部分が炉畳と言います。
4畳半の場合だけは炉の季節と風炉の季節で畳の敷き方が違います。
図で説明すると一目瞭然なのです!!

炉の切り方には8種類あります。
炉の位置によって、4畳半切・向切(むこうきり)・台目切(だいめきり)・隅炉(すみろ)の4種にそれぞれ本勝手と逆勝手があって、計8種類になります。
(その他に大炉もあります)
それぞれ使い分けるのですが、基本は4畳半切の本勝手であり、台目切の本勝手と合わせて2種類が一般的で、しかも使いやすいのでこれを知っておけばよいでしょう。
台目切の場合は、4畳半切の本勝手でも使用できるようにもう1つ炉を切っておきましょう。
何も知らない設計者が使い物にならないような逆勝手の茶室を設計して、施主が困っているような例もあります。
実際にお茶に接していない人には決して本当の意味での茶室の設計ができないのです。

茶事をよく理解している設計者は、どのようなところから考え始めても、全体として使いやすい茶室を設計できます。