26回  

露地・茶庭の設計

露地の効用
やはり茶室に入るには、狭くても短くてもよいから露地を通って行きたいものです。
迎付を受けるとぞうりに履き替えて外待合でしばらく庭を眺めるとともに気持ちも新たにして、つくばいで手を清めたうえでにじり口から床飾りを見て茶室ににじり入る・・という一連の動きは茶事に対する気持ちを高めてくれます。
室内の待合から直接茶室に入るのとは全く違います。
露地は植木(下草)、飛石、畳石、つくばい、待合腰掛といった構成全体で考えていきます。
余裕があればこれに門や中門も加えて考えていきます。
意外と重要なのは庭から茶室がどう見えるのかということです。
これは全体の雰囲気と関わることですので総合的に設計者に相談しましょう。

どんな植木?
基本的には強い個性や色彩の花を持つような木は植えないというのが原則です。
床の間の花と重なったり風情を台無しにするというのがその理由とされています。
これからすると臭いのきついものも敬遠されるといえます。
落葉樹と常緑樹を混ぜて植えたほうが季節の変化に対応もできます。
下草も意外と大きなポイントになります。

腰掛
独立した腰掛が理想ですが最近は敷地などの関係で独立タイプは減ってきているようです。
でも、4畳半茶室では5名程度の方が座れるような腰掛が欲しいですよね。
理想的な位置としては、つくばいやにじり口、あるいは中門がちらりと見える位置に設けるのが理想です。
つまり亭主の動作の気配が感じられるような位置がよいのです。
でも独立した腰掛が不可能な場合は軒下などに設けることになるでしょうね
いずれも客が進んでいく方(茶室側)が正客の位置となります。

広間での茶会といってもあまりに長い腰掛は風情がありません。
煙草盆を置くことを考えるとやはり昔から言われているように、5名で1間半くらいの長さがちょうど良いようです。
腰部分には、帯がすれてもよい様に湊紙の腰張りをするか、板を貼ります


飛石
8寸から1尺2寸までの石を、大小交互に並べていきます飛石の上をゆっくりと歩くときのちょうどよい間隔は、石と石の間を4寸程度離すのがよいとされているようです

蹲踞 :つくばい
もともとは石清水などの清らかな水を身をかがめてすくうことから生まれてきたといわれています。客が「つくばって」水を汲むことができる程度の高さに手水鉢を据えることになります。

実際に動作を行ってみて、ご自分の使いやすい高さで据えてみましょう。

最近は景色のためにただ置いてあるだけの飾り用の「つくばいもどき」が、和風庭園の中に庭の象徴のような形でおいてあることがあります。
でも本当は必要なところに意味のある形で据えてこそ「使えるつくばい」
になるのです

配置の基本形として「役石」と呼ばれる形があって、つくばいの前には「前石」、裏千家では右側は手燭石(テショクイシ)、左側が「湯桶石」として配置します(表千家は左右逆になりますよ)
つまり右手に手燭、左手に手桶を持って亭主が登場してくるということなのです
水が流れるだけではなく、水をまいたりする動作がありますので砂利で隠しながらも排水はしっかりと考えてください

北陸は雪が多く積もりますので外だけでなく室内に設けることが少なくありません。

たとえば玄関や土間など。比較的排水は取りやすいところです。

その他室内の廊下に面した場所など。排水経路はしっかりと確認しましょう。

ただ室内の場合は役石のすべてを設けるということはスペースの関係上不可能な場合が多いので、その場所に応じて省略しても構いません。